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犬を飼ってみるとわかるのだが犬の一生というのは驚くほど短い。
人間ならまだよちよち歩きといった程度の歳なのに、
口元にうっすら白い毛が混じって来たりする。
気だるい夏の日の午後、眠りから覚めてギョロッと目玉を回転させて
人間様を見上げる眼差しは、
「あ〜あ、どうして俺だけこんなに早く年をとっちまうんかな〜」
と、言っているように思えたりするのだ。
街を歩いていると様々な犬に会い、忘れられない想い出になっていることが多い。
もう20年も前なのだから、この世に生きては存在しないのだなぁと思うと切なくなる。
せめて名前ぐらい聞いておけば良かったなと思う。
心の中で名前で呼びかけられなければ、ただの「イヌ」に過ぎないのだ。

近所に素晴らしいイヌがいる。
仕出し料理店の愛犬なのだが、自由に散歩しており、
同じく近所の小さな DPE ショップのオバチャンがお気に入りで、
毎朝、埼玉方面から JR で通って来るオバチャンを駅まで迎えに行くのだ。
忠犬ハチ公よろしく、じっとオバチャンを待っている姿を偶然見かけ、
呼びかけたくなったのだが肝心の名前が思い出せない。
妻に公衆電話から電話して、
「おい、あの仕出し料理店のイヌ、何て名前だっけ」
「ムサシよ、ムサシ」
と、聞き出し、

「ムサシ、おはよう」
と、呼びかけてみた。
あの時「ムサシ」がサッと振り向いた瞬間が忘れられない。
名前を知っているというのは良いものなのだ。

街で出会ったイヌ、友人の愛犬、想い出の中のイヌたち……
「名前」を知ることができたイヌたちの紳士録です。
投稿も大歓迎です! 名前を教えていただけるのなら。

What is Your Name?


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