電脳六義園通信所管理人 石原雅彦の日日抄

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三好春樹主催・生活とリハビリ研究所サイトの管理日誌です。

【今月の栞】

 それはとにかく、このように植物界の現象にもやはり一種の「潮時」とでもいったようなもののあることはこれまでにもたびたび気づいたことであった。たとえば、春季に庭前の椿の花の落ちるのでも、ある夜のうちに風もないのにたくさん一時に落ちることもあれば、また、風があってもちっとも落ちない晩もある。この現象が統計的型式から見て、いわゆる地震群の生起とよく似たものであることは、すでに他の場所で報告したことがあった。
 もう一つよく似た現象としては、銀杏の葉の落ち方が注意される。自分の関係しているある研究所の居室の室外にこの木の大木のこずえが見えるが、これが一様に黄葉して、それに晴天の強い日光が降り注ぐと、室内までが黄金色に輝き渡るくらいである。秋が深くなると、その黄葉がいつのまにか落ちてこずえが次第にさびしくなって行くのであるが、しかしその「散り方」がどうであるかについては去年の秋まで別に注意もしないでいた。ところが去年のある日の午後なんの気なしにこの木のこずえをながめていたとき、ほとんど突然にあたかも一度に切って散らしたようにたくさんの葉が落ち始めた。驚いて見ていると、それから十余間を隔てた小さな銀杏も同様に落葉を始めた、まるで申し合わせたように濃密な黄金色の雪を降らせるのであった。不思議なことには、ほとんど風というほどの風もない、というのは落ちる葉の流れがほとんど垂直に近く落下して樹枝の間をくぐりくぐり脚下に落ちかかっていることで明白であった。なんだか少し物すごいような気持ちがした。何かしら目に見えぬ怪物が木々を揺さぶりでもしているか、あるいはどこかでスウィッチを切って電磁石から鉄製の黄葉をいっせいに落下させたとでもいったような感じがするのであった。

寺田寅彦『藤の実』より


  2006年11月01日(水曜日)の日記
■おにぎりの『かどや』新装開店
  2006年11月03日(金曜日)の日記
■ALWAYS 入江南三丁目の夕日
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希望の海へ
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午後の面舵(おもかじ)
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■港町展望室
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ケロヨンといもっ町
  2006年11月11日(土曜日)の日記
二重国籍
  2006年11月12日(日曜日)の日記
旅に病む
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■『かっぱ』にさよなら
  2006年11月16日(木曜日)の日記
しみずライナーの朝11月18日追記
  2006年11月17日(金曜日)の日記
■骨董と桃太郎
  2006年11月18日(土曜日)の日記
■観察者の視点
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■コーヒールンバ
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■Happy Tapping Keyboard
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■スタイラス製造工場
  2006年11月25日( 土曜日)の日記
■「ここ」と「あそこ」
  2006年11月27日( 月曜日)の日記
■山の道
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■ユビキタスと爪楊枝
  2006年11月29日( 水曜日)の日記
■人の見掛け
  2006年11月30日( 木曜日)の日記
■いつのひかいてふなみきをあゆまんと
   
   
     
     
     
     
     
     
     
     
     

 


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