電脳六義園通信所管理人 石原雅彦の日日抄

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三好春樹主催・生活とリハビリ研究所サイトの管理日誌です。

2008年07月12日(土曜日)の日記
■会話の交差点

 


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今から二十年以上前、大阪府大阪市中央区のなんばグランド花月がオープンしたての頃、当時ブームだった若手漫才を聞きに行ったことがある。
 
休憩時間になり通路に掃除のおばちゃんが現れて散らかったゴミのを回収していたら、通りかかった同年配の女性が
「アンタ、エライナァ」
と流暢な大阪弁で話しかけ、掃除のおばちゃんは、仕事なのだから偉いも偉くないもないのだということを僕には真似できないさらに流暢な大阪弁で答えていた。ご婦人は、そんなことはない、見たところ自分と同じくらいのあなたに頭が下がるという意味のことをもっともっと丁寧で高度な大阪弁で言いつつ、
「…で、ちょっと通して」
とさり気なく付け加えてハッと気づいたのだけれど、このご婦人は通路に立ちふさがって掃除をしているおばちゃんに
「ちょっと通してんか」
と言いたいところを巧みな大阪早口言葉で直截にならないよう柔らかく伝えたのだった。大阪の言葉の文化というものは凄いなぁと、本場上方漫才を生で聞くよりももっと感動したのだった。

Photo

▲静岡県清水入江南町角にて。

静岡県清水入江南町。
旧東海道と旧久能道が交わる生家近くの変則四差路で信号待ちをしながら写真を撮っていたら、隣に立っていたリュックサックを背負ったご婦人が、
「あのー、東海道の町並みを撮っていらっしゃるんですか?」
と聞くので、その通りであると答えようと思ったのだけれど、ちょうど胸にこみ上げるものがあったせいか、
「向かいの八百屋さんに手作りの灯籠が飾られているでしょう。この辺の人はあれを売っていただいて巴川に流すんです。そうか、もう灯籠流しの時期なんだなぁと思って思わず写真を撮ってたんです」
などとよけいなことを話してしまい、ご婦人は短く
「はぁ…」
と答え、信号が青に変わりそうなので道を急ぐように
「この右の道をずっと行くと静鉄入江岡駅に着きますでしょう?わたくし実は桜橋駅に行きたかったんです」
という。

Photo

▲静岡県清水、入江商店街“いちろんさんのでっころぼう”の堀尾青果店。

「ああ、桜橋駅に行かれたいならこの旧東海道をまっすぐ行くと広い交差点がありますからその道を左に曲がって、ずっとまっすぐ行くと次第に坂になって東海道線と静鉄を跨ぐ橋を渡ったところ、そこが桜橋駅です」
と答えたら、ご婦人は
「ああ、私は桜橋駅に行こうと思って道を一本間違えていたことになるんですね。ありがとうございました」
と会話を丁寧に締めくくって去って行かれた。

Photo

▲静岡県清水、入江商店街の黒田呉服店。

信号が青に変わり、軒先の灯籠を見上げてふと、
「桜橋駅から静鉄電車に乗られたいなら広い道を渡って向こう側の歩道を歩かれた方がいいですよ」
と付け加えればもっと親切だったかなと思ったけれど、静鉄電車に乗るんだったらわざわざ桜橋に行かなくたって入江岡駅から乗ればいいのだから、駅自体に用事があったわけでもないわけでよけいなことを言わなくて良かったと旧東海道を振り返ったら、よほど足が早いのかご婦人の姿はもう見えない。

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▲今朝の「先割れくん」



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