電脳六義園通信所管理人 石原雅彦の日日抄

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三好春樹主催・生活とリハビリ研究所サイトの管理日誌です。

2008年07月26日(土曜日)の日記
■眼下の芝生

 


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車窓を一瞬過ぎる景色が眼に焼き付いて忘れられないことがある。
 
同じ場所を何度も通ることがあるとその瞬間を心待ちするようになり、一度あの場所に行ってみたいなぁと思い、カメラを手にその一瞬を待ちかまえ、せめて写真くらい撮っておきたいと思ったりする。
 
そして写真撮影に成功すると一瞬の出会いを静止させて眺められるようになり、地形の詳細を手がかりに地図上でその場所を探してみたりする。

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東名高速道路下り、清水ライナー折戸車庫行きから眺めていたこの場所は、おそらく神奈川県足柄上郡山北町谷ヶ(やが)ではないかと思う。川は酒匂川、鉄道線路はJR御殿場線、並行して走る道路は国道246号線だと思われ、だとすれば何のことはない、この場所はかつて何度か通過したことがある場所なのだった。
 
東京の大学に入学が決まり、北区西ヶ原にアパートを借り、若干の荷物を清水から持って行ってひとり暮らしを始めることになった春、母が営んでいた飲み屋の常連だったトラック運転手が東京に荷を積みに行くついでにその運搬を引き受けてくれることになった。大型トラックの片隅にちょこんと荷物を載せ助手席に母と二人並んで腰掛けて国道246号線を東京に向かう際に、あの場所を手前から向こうに向かって通過したのだった。
 
それから三十数年が経過し、母は重い病気になり、御殿場線長泉なめり駅が最寄り駅となる県立静岡がんセンターで薬をもらって清水に向かうため、新宿発の電車に乗ってこの場所を向こうからこちらに向かって通過したのだった。

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「一度あの場所に行ってみたい」どころか何度か通過したことがあるあの場所、その際に「一度この場所に降りてみたい」とは思わなかったわけで、「あの場所」が美しく見えるのは「この場所」から見ているからであり、正確に言えば「あの場所をこの場所から見ると綺麗だなぁ」と思っているだけなのかもしれない。
 
隣の芝が青く見えるように、眼下の水田も通りすがりの旅人には芝生のように青いのかもしれず、おそらく御殿場線谷峨(やが)駅で下車してあの場所に立ってみることはないと思う。

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▲今朝の「先割れくん」


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